相談内容
確かにこれから先、寿命の面で不安になるかもしれませんね。
相談者さんの町内だけではなく、どこでも似たような悩みがこれから出てくることを見越して、対応策を考えてみました。
何に保存しよう?
町内における文献などの情報データのデジタル化は、実は町内会でパソコンが導入された当時から行われ始めました。
当時の記録媒体としては、DVDとUSBメモリが多かったでしょう。
今でも、USBメモリをパソコンに刺して重要なデータを保存したり、呼び出したりしています。
そんなUSBメモリの寿命は3年~10年とされています。
3年を超えたらいつデータが吹き飛んでもおかしくないということです。
一方、DVD(CD-R)はというと、10年~30年とされています。
しかし、最近のパソコンはDVDドライブが付いていないため、外付けDVDドライブを購入が必要になりますし、何より少し傷が入っただけで読み込めなくなる心配もあります。
では、パソコンに保管してはどうでしょう?
こちらはパソコン導入時期によりますが、HDDと呼ばれる記録媒体を利用しているものが多いでしょう。
5年以上前のパソコンはそれが主流でした。
そして、こちらの寿命は4年程度と言われています。
どれも永遠不滅ではなく、安全性に関しても絶対なものはないようです。
オンラインストレージはどうなのか?
オンラインストレージとは、サーバー上でデータを保存、管理、共有できるネットワークを介するサービスのことです。
聞いたことのあるもので
- Googleドライブ
- ドロップボックス
- OneDrive
と様々なオンラインストレージサービスが用意されています。
基本無料ですが、大量のデータを保管する場合は、毎月の有料契約が必要になります。
有料サービスではあるものの、最近では以下のようなメリットから企業や団体等での利用率が上がっています。
- インターネットがあればどこからでもオンライン上でデータを見ることができる
- 見るだけの人、編集できる人を指定し限定することで情報保護、データの改ざん、いたずら防止ができる
- データの修正がすぐにオンライン上で反映されるので、データの受け渡しを行う必要がない
上記の機能は少量データであれば無料でも使えるので、まずはテスト導入して慣れてきたところで予算を組んで本格的に利用するという考え方が良いかもしれません。
使ってみない事にはオンラインストレージに対する不安は拭えないですし、そのような手順から導入された企業もあります。
今ある紙資料をどうするのか?
ここまではすでにデータ化されたものをどう保管するかを書いてきましたが、まだデータ化されていない紙資料をどうするべきでしょうか。
過去の紙資料は年月が経ち、劣化による破れの心配が生じています。
町の歴史を後世に残す大事な資料なわけですから、ちゃんと保管したいところです。
これについては、スキャンしてデータ化するところから始めるしかないわけですが、以下のようなステップでデータ保管までを行う必要があります。
- 紙資料をスキャン
- スキャンしたデータを資料内容に合わせてファイル名を変更
- 資料が作られた年代ごとのフォルダを作成
- データをフォルダに格納
スキャンするだけでは、中身がどんなものか把握できないので、事前に決めた命名規則のもとにファイル名を変更するのが最も重要な作業になります。
これをやっておくだけで、あとから検索をかけたときに欲しい資料を容易に見つけることができます。
ただ、この作業はかなりの手間になってしまうので、一度に終わらそうとせず、徐々に進めていくのがいいかと思います。
スキャンする機器の問題は?
前項でスキャンしてフォルダに格納と書きましたが、そのスキャンするための機器が各町内で持っているのか、という問題が生じます。
最近のプリンタはスキャン機能が標準装備されていますが、そうでない場合もあります。
さらに、普段から使っているA4サイズよりも大きな紙をスキャンする場合の問題が生じます。
こうした場合、自治体による機器の貸し出し、またはパソコンやスキャナが無料利用ができる場所の設置など、これから先を見越したサービスの展開が必要になってくると感じました。
相談の回答
- 紙は全てスキャンしデータ化
- ファイルは整理して一つのフォルダに格納
- 格納したデータをGoogleドライブ(オンラインストレージ)にアップロード
- 町内の役員のみが閲覧、編集できるように設定
データを保管するという観点から言えば、ここまでで十分かと思います。
実際、これを実現するには膨大な作業が発生します。
しかし今のままでは、積み重ねてきた情報やノウハウなど大事なものが失われる可能性を考えると、今からでも急がず確実に進めていくのがいいのでは、と考えます。