10 月 1 日(火)~3 日(木)に東京ビッグサイトで行われた、「DX総合EXPO 2024 AUTUMN」に視察に行きました。
去年も同じように行ったのですが、学ぶことが多く、せっかく見聞きした内容をそのまま薄れてしまわぬように、振り返りとして記事にまとめます。
セミナー内容のAI要約と感想
ベネッセのDX戦略と生成AI活用
能力のある若者を重用し、そして興味のある人材をうまく活用した。
AIの利用にはまずは自分で触るところから、中身を知ったうえで社内に提供するようにしている。
2年間の失敗からこの形になったと推察できるが、なかなか踏み切れるものではない。
ただ、リテラシーが向上していたから実現したのだろうし、その失敗の2年で得たものも多いのでは、と感じた。
なんにせよ、まずは行動に移すところから始まったと言える。
キッコーマンの人財戦略
キッコーマン株式会社の常務執行役員CHOである松﨑毅氏による「キッコーマンの人財戦略」に関する講義が行われました。
まず、同社の事業概況として、歴史の簡単な振り返りとともに、海外での事業比率が高まっており、全体の売上の77%が海外からのものであることが説明されました。
国内では主に醤油を取り扱い、海外では東洋食品の卸売を担っています。
醤油業界では地産地消が一般的で、味噌や酒なども地域で作られやすく、独占が難しい市場です。
2018年に策定された「グローバルビジョン2030」では、経営資源の活用と人材資本の増強が重要なテーマとなっており、特に発酵・醸造技術を活かした人財戦略の展開が求められています。
人財戦略の概要として、戦略を実現するための要件の定義、現状の充足度の明確化、ギャップ解消に向けた施策の定義が示され、人財要件の見える化と能力の数値化が可能となります。
大切にしたいこととして、グローバル経営・海外展開への寄与、多様な専門家の意図的な育成、社員の自律的なキャリア形成の支援、ダイバーシティの推進が挙げられました。
具体的な施策として、2030年の目標達成に必要な基幹ポストと人財要件の設定、人財プールの形成プロセス、人財マネジメント会議体の活用が紹介され、人財戦略の4つの柱(キャリアパスの基本形と明示、基幹ポスト人材の確保・育成・配置、グローバル人材のすそ野拡大、専門性人材の確保)も説明されました。
課題と対策として、基幹ポストの人材確保、グローバル人材の育成、専門性人材の確保、人材育成が挙げられ、最後に、待遇を改善したにも関わらず若手社員が辞める背景として「ゆるブラック」への警戒が必要であり、人事評価の基準が見えないことやジョブ型人事制度に過度な期待を持ちすぎないよう注意が促されました。
進化していくX – Everything Appに向けて加速度的に進化するXと広告ソリューションの最新状況
XはまだTwitter Japanとして運営されていますが、最近ではイーロン・マスクが宇宙遊泳のライブ配信をXで行うなど、急速に進化しています。その後、マスクは18年前の失敗と宇宙飛行の成功を収めた写真を投稿し、このスピードでどれほどの進化が可能か想像できないと述べました。
Everything Appへの展望
AI、金融、人材マッチングなど、SNS周辺のすべてをつなぐアプリを目指しています。生成型AI「Grok」を導入し、ウェブ上のデータだけでなく、X上のデータもすべて取得してリアルタイムで反映させることができます。これにより、情報の精度が高まり、画像生成の能力も向上しています。
X内の検索エンジンとしてもGrokを活用し、高度な性能による検索結果が得られます。検索ノウハウが不要となり、自然な喋り言葉での検索が可能になります。
新機能の紹介
- 記事機能: リッチなコンテンツを作成でき、まるでウェブサイトのような表現が可能です。
- スペース: 動画をライブ配信でき、選挙活動や有名人の対談にも利用されています。トランプ氏とイーロン・マスク氏がこの機能で対談した例もあります。
- ビデオタブ: 動画専用のタイムラインがあり、スマホに特化した縦長動画が主流です。
- XTV APP: Xによるテレビ専用コンテンツを提供し、YouTubeに対抗する動きがあります。
決済機能の強化
X利用者間の決済機能が追加され、割り勘やデジタルコンテンツの販売が可能になりました。アイドルなどのファン活動(推し活)にも活用されることが期待されています。
日本市場の重要性
日本のユーザー数は6700万人で、米国以外では最大のマーケットとなっています。1日のアクティブユーザーは4000万人で、利用率は右肩上がりに上昇しています。これらの数字はボットを除いたもので、人間にのみ広告を配信しています。
年齢比率は10代、20代が主流であり、日本市場が世界No.1であることから、イーロン・マスク氏は日本に開発拠点を置くことを決定しました。
動画コンテンツへの注力
動画ファーストプラットフォームを目指し、スマホ主流の縦長動画や動画と会話を同時に楽しめる仕組みを提供しています。熱量の高いファンコミュニティが存在し、最大4時間までの動画視聴が可能になっています。
X上でアニメのリアルタイム配信を行い、世界中のファンと同時に視聴することができます。また、独自のオリジナル番組を制作しており、個性的な出演者が参加しています。
有名クリエイターのミスタービーストは、オリジナルコンテンツを配信し、1回で3000万円の収益を上げました。広告収益を得ているクリエイターは15万人にのぼり、バーティカルビデオ広告の効果が高いことが示されています。
広告ソリューションの現状
使いやすさとROIの向上を目指し、Web DR配信金額は無駄な広告インプレッションが減少しています。Xならではのターゲティングにより、以下のような効果が得られています。
- BASEFOOD: コンバージョンが9.7倍に向上。
- 大和ハウス: CTRとCPCが改善。
- メディカルクリニック: CPAが改善。
ダイナミックプロダクト広告では、EC販売との連携が強化され、X内での買い物が可能になります。決済機能が追加されることで、ユーザーはよりシームレスに購買活動を行えます。
AIターゲティングとして、Grokを活用した広告キャンペーンのシンプルな設定が可能になりました。自然言語で広告の配信先をターゲティングできる「AI Audience」機能も提供しています。
プラットフォームの健全性と安全性
表現の自由とプラットフォームの安全性は共存可能であるとし、コミュニティノートによって情報の質を改善しています。リプライの表示順をカスタマイズすることで、返信欄をより見やすくしています。
「Freedom of Speech, Not Reach」の理念に基づき、センシティブな内容のリーチを制限し、リーチと適合性のバランスを取っています。また、詐欺広告については事前審査を行い、プラットフォームの安全性を高めています。
最後に
モーメントカレンダーを活用し、毎日が何かの記念日であることをネタに記事を書いてほしいと呼びかけました。また、広告の活用を促し、より多くのユーザーに参加してもらうことを目指しています。
しかし、資料が提供されないことや撮影禁止の制限により、この短時間で内容を覚えるのは難しいという声も上がりました。撮影禁止の制限が情報共有や理解の妨げになっているとの指摘もありました。
確かに、XでありTwitterで投稿された内容をAIの参考にすることで、感情的な文章の分析が他社に比べてかなり高くなる。
過去に発言した内容を実現できているか、言行一致の達成率を分析し、政治家に点数をつけるサービスなんかあると面白いかもしれない。
会社の未来を創る、戦略総務とは
戦略総務とは、(株)月刊総務の豊田健一所長が提唱する、企業の未来を築くための総務の新たな役割です。
現在日本で最も需要の高い総務管理担当者は、単なる何でも屋から経営の参謀へと意識がシフトしつつあり、2030年までにプロフェッショナル集団として確立されることを目指しています。
これを実現するためには、情報発信スキルや企画力、ITスキルを身につけ、社員を通じて共感を生むメディア戦略やムーンショット的な大規模目標の設定が重要です。
また、社内コミュニケーションの強化や健康経営・ウェルビーイングの推進、DXの導入、データ分析による意思決定など、多岐にわたるテーマに注力します。
さらに、人事と連携し人的資本経営を推進することで、働く環境を整え、人材教育と場の整備を両輪として機能させます。
総務の役割は、社内営業として自ら動き出し、説得力を持って経営に貢献することであり、上からの視点を持ちながら経営総務として活動することが求められます。
経営者としての視点を持ち、企業に貢献するために自ら動く。
そのような部署がいるだけで、どれだけ社内が円滑になるかと考えさせられる講演だった。
富士通が取り組む本気のDX(デジタル変革)-フジトラ: Fujitsu Transformation-
富士通が取り組む本気のDX(デジタル変革)では、全世界でわずか16%しか成功していないDXプロジェクトの課題を克服するため、ITを活用して事業、組織、マネジメント、オペレーションを包括的に変革し、競争優位性を確立することを目指しています。
トップリーダーシップの下で経営チーム全体が一致団結し、CEO直下にPMO組織とDXデザイナーを設置するなど、全社員が参加できるプロジェクト体制を整えています。
また、パーパス経営や社会課題の解決を重視し、「Uvance」という新たなビジョンのもとで事業領域を絞り込み、データドリブン経営とAIの活用によるマネジメントの進化を推進しています。
人材面では、自己研鑽やキャリアオーナーシップを促進し、大企業病の克服を図るとともに、ジョブ型人事制度の導入など柔軟な働き方を支援しています。
さらに、システム思考やデザイン思考を取り入れ、社内SNSの活用によって積極的なコミュニケーションを促進し、持続可能なDXの実現を目指しています。
様々な組織のDX化を見ているが、目的の達成のためには、DXデザイナーというポジションを上に置き、各部署に共通した指示、課題を伝えられるようにする。
縦からくるか、横からくるかで指示を受けた人たちの意識と動きも変わってくるのだと思う。
Preferred Networksが進める生成AIのビジネス活用と今後の展望
Preferred Networksが進める生成AIのビジネス活用と今後の展望では、生成AIを営業・マーケティング・企画から総務経理、さらには製造・設備や研究開発など多岐にわたる部署に組み込むことを目指し、システムの統合やモデルのカスタマイズが必要とされています。
アンケート調査では進め方や活用アイデアの不足、必要なスキルを持つ人材の欠如が課題として挙げられ、これに対してプロンプトチューニングやRAG(検索拡張システム)、追加学習などの技術的対応が推奨されています。
また、業務効率化のために事例共有や勉強会、システム化によるPDCAサイクルのデジタル化が重要とされ、具体例としてAIによる科学シミュレーションソフトの自動操作が紹介されています。
さらに、PLAMO-100Bの開発やオンプレミス・プライベートクラウド対応のPreferredAIの提供を通じて、日本語に最適化された生成AIの普及を図っています。
まとめとして、生成AIの急速な進化により知的労働の制約から解放される可能性がある一方で、回答精度の向上と効果的な活用方法の確立が日本大企業における普及の鍵であると述べられています。
アマゾンのすごい人事戦略 〜社員と組織が最高のパフォーマンスを発揮し成長し続ける仕組み〜
Amazonの経営理念は「顧客第一主義」と「絶え間ない革新」であり、これを実現するためには優秀な人材の確保と育成が不可欠です。
人材が成長しなければ会社も成長できないとの認識から、人材育成のための仕組みづくりが重要視されています。
採用プロセスでは、履歴書のスクリーニングに加え、複数の面接官による綿密な面接と評価を実施し、業務遂行能力だけでなく、Amazonの行動規範に沿った行動力を重視します。
面接官は候補者の過去の具体的な行動事例を基に価値観の適合性を判断し、最終的には全員一致の合意が求められます。
また、人事評価システムでは、定量的な目標達成度と定性的な行動評価の両面から公平に評価を行い、目標設定、中間評価、最終評価のサイクルを通じて上司、同僚、本人による多面的な評価を実施します。
評価結果に基づき、優秀な人材には積極的な投資を行い成長を促進し、改善が必要な人材には適切な支援を提供することで、組織全体の成長を目指しています。
話を聞けば納得するもので、機械を動かすのも、動かすアイデアを出すのも人だからというとても単純明快な理由である。
計算機自然が切り拓くDXの新地平
『計算機自然が切り拓くDXの新地平』では、自然を計算機でシミュレーションする「デジタルネイチャー」の考え方を基に、AIの急速な進化とそのビジネス活用について議論しています。
AIは大量のデータ学習によって人間のIQを超える成果を上げており、日本では技術追随が困難な現状です。
技術的負債をAI活用で解消し、コストを大幅に削減する一方で、AIの限界として市場投入時の失敗リスクや著作権問題が存在します。
また、データの質・量・権利が重要となり、マイナンバーに蓄積されたデータの活用によって爆発的な進化が期待されます。
しかし、法整備が技術の進化に追いついていないため、実際に試行錯誤を繰り返す必要があると強調されています。
さらに、生成AIの活用にはシステムの組み込みやモデルのカスタマイズが不可欠であり、効果的なDX推進には全社的な取り組みと柔軟な対応が求められています。
そして、この先の課題として法整備が技術の進化に追い付かねば、今後の進化を阻害しかねないとのことだった。
SMBCグループがデジタルで作り出す新規事業
SMBCグループは、デジタル戦略として、6年前の銀行法改正を機に非金融サービスを本格化させました。現在、子会社8社で売上100億円を達成し、金融サービス「Olive」の口座開設数は300万を突破しています。米国リテールデジタルバンク事業にも参入し、法人向けデジタルプラットフォーム「PlariTown」ではDX支援を提供。SaaS導入支援や電子契約サービス「SMBCクラウドサイン」を展開し、AIを活用した契約書管理を実現しています。
さらに、温室効果ガス排出量算定ツール「Sustana」や人的資本ビジネス「SMBC Wevox」を導入し、社員のエンゲージメント向上と離職防止に取り組んでいます。アバターを活用したバーチャル窓口やスタートアップとの連携も推進し、渋谷にイノベーションハブ「フープスリンク東京」を設立、シリコンバレーにもラボを構えています。社内SNSを活用したオープンなコミュニケーションや、300億円のシステム投資予算を確保し、デジタル人材の採用・育成にも力を入れています。
これらの取り組みを通じて、SMBCグループはデジタルを活用した新たなビジネスモデルの創出と、持続可能な社会の実現を目指しています。
試しに口座を作成してみたいな、と思うほどにSMBCのファンになってしまいそうな講演だった。
こういうところにこそ、いい人材が集まってくるのだろうな、と感じてしまった。
グループ全社員をDX人財化 〜成果創出へ向けた3年目の展開〜
『グループ全社員をDX人財化 〜成果創出へ向けた3年目の展開〜』では、2022年にスタートしたDX方針に基づき、グループ全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、成果を創出するための取り組みが紹介されています。まず、RPAの積極的導入を始め、DX推進組織はDX・IT委員会や戦略分科会、予算分科会、人材育成分科会などに細分化され、経営企画部やIT統括部を中心にDX/IT統括本部やDX企画部が設置されています。
DX戦略は人材育成から成果創出への移行を図り、全社員向けに総合計6000名、基幹人材向けに700名、管理職向けに150名、担当役員向けに15名の研修プログラムを強化しています。これにはDXビジネスデザイナーやDXテクニカルプランナー、ITテクニカルプランナーの育成が含まれ、具体的なアクションプランの作成やマネジメントの役割理解を深める内容となっています。また、DXイノベーションラボを本格展開し、全社員をDX人財化するためのコミュニティを社内SNS上に新設しています。
社内アンケートでは、多くの社員がDXの必要性を感じる一方で、進捗度に対する実感が薄く、業務改善レベルに留まっている現状やスキル・知識の不足、具体的な取り組み計画の方法が分からない、時間が不足しているといった課題が浮き彫りになっています。2024年には成果創出を目指し、モニタリングによるPDCAサイクルを強化し、研修内容を進化させて全社員に一律の内容を提供しつつ、細かいスキルレベルに応じて研修を分ける計画です。
さらに、基幹人材育成を進化させ、高度デジタル人材や各事業場推進人財を技術に応じて振り分け、検定への挑戦や外部とのマッチングを推進しています。生成AIの展開も進めており、テスト導入中の活用推進研修やプロンプト共有、BIツールやアンケートによる定量・定性情報のモニタリングを実施しています。しかし、現時点では進展は限定的であり、引き続き取り組みが必要とされています。
全体として、グループはDX人財の育成と組織全体でのDX推進を通じて、持続的な成果創出を目指し、柔軟かつ体系的なアプローチで課題解決に取り組んでいます。
あれは自治体、こちらは企業と考えると、それほど先進的な取り組みではないのでは、と感じてしまった。
所属人数が人数だけに仕方がないのかもしれないが、他と比べるとどうなのか、と知りたくなってしまう。
アマゾンの強さの秘密 〜徹底した数字管理とマネジメント〜
『アマゾンの強さの秘密 〜徹底した数字管理とマネジメント〜』では、アマゾンの成功を支える徹底した数字管理とマネジメント手法について詳述されています。アマゾンのビジネスモデルは、起業時にレストランのナプキンに描いたコンセプト図から始まり、品揃え、顧客満足度、来店者数、売り手の数、低コスト体質と低価格維持を4%の利益率に抑える戦略など、各項目の向上サイクルを重視しています。低価格を実現するために利益を投資に回し、倉庫管理では出荷順守率や棚の充填率を数値化し、効率的な在庫管理を行っています。
アマゾンのビジネスモデルとそれを支える構造は、顧客満足度の向上を最優先にしつつ、戦略を実行するための仕組みと人材を整備しています。リーダーシップ理念として「善意では十分ではない、仕組み作りが重要」を掲げ、仕組みによる継続的な改善を推進しています。
数値管理の中心にはKPI(重要業績評価指標)があり、無秩序を秩序に導き、顧客に提供する価値を管理しています。KPIは目標値と実績を定期的にチェックし、現場の変化や資源の有効活用を監視します。例えば、保険会社では客単価や集客数、契約率などをKPIとして設定し、目標達成に向けた具体的な指標を管理しています。
アマゾンでは毎週定期的に全KPIをレビューし、異常値があれば即座に対応する素早いPDCAサイクルを実践しています。会議は効率的に行われ、問題がない場合はキャンセルされることもあり、無駄な時間を省いています。また、KPIの自動発行システムを構築し、レポート作成を省力化しています。KGI(重要目標達成指標)とKPIを明確に区別し、ゴール設定は予算策定時に行い、問題検証のみにKPIを使用することで、過去の振り返りにとらわれず、全てを数値で管理する姿勢を徹底しています。
総じて、アマゾンの強みは、詳細な数値管理と効率的なマネジメントシステムにあり、これが顧客満足度の向上と持続的な成長を支える基盤となっています。
コロナの時に毎日熱を測っていて、少しでも数値に異常があれば注視するといったやり方に似ていて、こちらは監視が自動化されているため、数字に素直に反応し、見落としがない。
すべての業種に対し、このやり方は採用できるのではないだろうか。
DX × AI 次世代のビジネスモデル
『DX × AI 次世代のビジネスモデル』では、仏教の八識を基にした電脳化の視点から、デジタルトランスフォーメーション(DX)と人工知能(AI)の融合による未来のビジネスモデルについて論じています。現状ではデジタル化が可能なものはすべてデータ化されウェブに繋がる一方で、味覚や嗅覚などのデジタル化が難しい領域も存在し、その境界に新たな価値が生まれるとされています。メタバースやVRライブの進展により、従来デジタル化が困難とされていたライブ体験もデジタル化が可能になりつつあります。
DXの進展には約10年を要するとされ、単なるアナログからデジタルへの移行ではなく、根本的な変革が求められています。仏教用語でいう八識のうち、現在は四識(眼・耳・身・意)までがデジタル化可能であり、残る四識(舌・鼻・第七末那識・第八阿頼耶識)のデジタル化方法が課題として挙げられています。また、体のインターネットや心のインターネットを通じて、健康管理や精神的な支援を行う未来像も描かれています。
データ経済化(DX22)を目指すためには、まずデータの蓄積と分析が不可欠であり、AIの活用による生産性向上が期待されています。具体的な取り組みとして、不登校の予防や虐待の防止を目的とした子供データベース構想が紹介されています。さらに、DX21(データの蓄積と分析)からDX22(万物のデータ経済化)への進展と、DX20(無駄の撤廃)を経て、真のWEB産業革命を実現するための課題と展望がまとめられています。
総じて、本講義はDXとAIを活用した次世代ビジネスモデルの可能性と課題を、多角的な視点から探求し、持続可能なデジタル社会の実現に向けた具体的なアプローチを提示しています。
仏教用語でいう八識のうち、現在は四識(眼・耳・身・意)までがデジタル化可能であり、残る四識(舌・鼻・第七末那識・第八阿頼耶識)のデジタル化方法が求めらるようになるという点は、確かにそうなるだろうなと思わされた。
最初にたどり着く人は莫大な利益を得るだろう。
展示ブース
このぐらいはあるだろうな、大企業向けであまり関係のないサービスだな、というのが多く、それほど興味を持ったものがなかったが、一つだけ面白いものがあったので紹介します。
TUKTUK オフィスに置くだけ無人コンビニ
ぱっと見で面白いシステムだと感じ、写真に撮り、少し話を聞いた。
無人コンビニとして使いたいというわけではなく、公共施設のスマートロックとして活用できそうだな、と感じた。
実際のところ、販売商品から補充まで運営会社任せでまだまだ柔軟性がないものの、システム自体はとても有益なものだと思う。
まとめ
1年前はこれほどAIの話は出ておらず、デジタル化、DXがメインだった。
それは出展ブースも同様で、宣伝されているサービスのほとんどがAIを絡めたものになっていた。
私自身も、講演を聞きながら箇条書きした内容をAIで整理し、文章化することで、このまとめ記事を書くのにそれほど時間を必要としなかった。
確かに便利である。たかが要約してもらうことをAIに任せるだけで、これほど効率的になるとは考えてもみなかった。
そう考えると、このように気付いていない人がまだ多いが、何かのきっかけで大いにAIが浸透しだす可能性は大いにある。
テクノロジーの進化が面白いと感じる時代になってきたと思う、今日この頃。
ベネッセグループは現在、進研ゼミよりも介護事業が主な収益源となり、学習中心のサービス(進研ゼミ、Udemyなど)を展開しています。2018年にデジタル化の遅れを指摘され、グループデジタル本部を設立しましたが、計画実行に苦戦し、2019年には活動を縮小。この経験から、DXでは企業文化との連携が重要と認識しました。
コロナ禍でDX推進が加速。介護事業では、面会制限への対応として、テクノロジーに関心のある社員を集め、自主的に解決策を模索。プロジェクト数は6から60に増加し、インフラ刷新や業務効率化を推進しました。
具体的な取り組みとして、既存サービスのデジタル化(デジタル赤ペン先生への移行)、オフラインとオンラインの統合、データ統合を実施。介護ではベテランの知見をAIに学習させ、入居者の異変を検知するソリューションを開発。Udemy Businessで社会人教育も支援しています。
生成AIの活用では、社員が自ら試し、使用例を共有。ブレインストーミング、契約書確認、議事録作成、業務分析などに利用。コールセンターではAIチャットボットやボイスBOTを導入し、問い合わせ対応を自動化。ウェブサイト運用では、生成AIとノーコードツールで製作工数を三分の一に削減。
社内相談AIを開発し、データを蓄積してUX/UIを改善。顧客向けには、教師のような対応ができるAIを提供し、保護者の不安に応えています。
導入ステップは、企画者がまずAIに触れ、明確なゴール設定、優位性の設計、プロセスのUX/UI設計、そして継続的なチューニングを行っています。